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芸術のミナト新潟演劇祭『恋する世阿弥』


新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ 能楽堂
3/1 2公演観てきました。

人間国宝の能楽師の跡取り、今をときめく天才イケメン能楽師まさし(三上演じた場合。タツヤくん演じると役名もタツヤくん)が突然好き好き大好きだった能を舞いたくない。パティシエになりたいと言い出す。どうやら女子の生き霊に取り憑かれているらしい。
まさしは女癖が悪く、以前ワークショップで生徒だった女子大生と不倫していた。まさしの妻は女子大生を訴えない代わりに、まさしに取り付いた女子高生の恋心を女子大生に取り憑かせ、まさしとデートしてやれと言う。まさしに取り憑いていたのは新潟にいた頃のまさしの同級生の恋心。
クラス中の女子を食いつぶしたまさしが最後に誘ったのがその女子高生。新潟市のどこをまわっても他の女の残り香。誰も来ないだろう能楽堂をデートに選んだ彼女はしくじった。まさしは能楽に恋をしてしまった。まさしを取らないでと言う女子高生。能からまさしを取らないでと言う妻。
まさしは能を愛して能に愛された。私は能を愛していても能には愛されなかった。そう語る妻の言葉に、まさしともう一度デートをして新潟中を回り成仏した(っぽい)女子高生の恋心。私は彼を愛していなかったと語る妻に、ならどうして結婚したのかと問う女子大生。
あの人なら私の能への愛を断ち切ってくれるかもしれないと思ったからよ。と言う妻。彼女は人間国宝の能楽師の孫であり、能楽を愛していながら能楽に愛されなかった。世阿弥が最期を迎えた新潟で、恋が始まらず終わったはなし。死ぬまで愛して、死んでも恋して…

というのがだいたいのあらすじ。
新潟で演じられて新潟で観るという事にとても重点が置かれた演目だなと思ったと同時に、新潟県民でないと笑えない部分(レインボータワーはもう回らないとか、日本海タワーは今年の夏で営業終了とか)も多々あって、なにより“りゅーとぴあの能楽堂”で上演され観劇するということにとても意味のある作り方だと思ったし、それがとても嬉しく感じられた。まさに“芸術のミナト新潟演劇祭”の為に作られた、素晴らしく良い形でのコラボレーションだと思った。
更に随所で語られる世阿弥の言葉がなんとも色々と考えさせられる。

「いかなる上手なりとも、衆人愛敬欠けたるところあらんを、寿福増長のシテとは申しがたし。」(どんなに上手な能役者であっても、大衆に愛されることのない者は、決して一座を盛り立てていくことはできない)
【衆人愛敬】


これは今でも通じることばだなあ。面白い。


今回はトリプルキャスト(天・地・人)ということで、天と地だけ観て来た。人はちょっと時間が無くて…勿体無い事をした!
1枚2,800円のチケットで3公演分観れるというとってもお得な公演だった事もあってか、能楽堂は1回目の公演からほぼ満席。脇2列目の席を確保したのだけれど脇が観やすいこと!

天チームで天才能楽師を演じたのはゲストである三上真史。思えばる・フェアでも三上を観たので二ヶ月を経て連続の三上観劇。
能楽師はなんと超ミニスカの女子高生の制服で登場し、どよめく客席。スカート短すぎて客席に背を向けお辞儀をするとスカートの中が丸見えですどうもありがとうございます。
もちろん地チームで能楽師を演じた佐藤辰哉くん(若干19歳の専門学校一年生!)も同じ衣裳だったので色々とお腹いっぱいです。
他のキャストは男性は黒の紋付袴。女性も黒の着物。そしてモノトーンに見える濃いめのメイクで正に“能面のように”一切表情を動かさない。泣きもせず笑いもせず、能面の代わりなんだろうなというのが伝わって来る。
また所作や発声、掛け声(能楽は音楽を演奏する囃子がいるが、今回は音楽は無く囃子は掛け声のみ)は能楽に添っている為とても独特な世界観になっている。その囃子の掛け声があるおかげでとてもリズミカルでテンポが良く、ぐいぐいと話に入っていけるので素直に楽しい。
また、能楽の世界もさわり程度であるけれど知る事が出来る内容で、敷居が高いと思われがちだが性別や経験等は一切問われずかなりオープンらしい。これはとても意外だった。

各公演後にはアフタートークが設けられており、この日の1公演後のアフタートークには中屋敷さんがMCとなりゲストは観世流緑泉会能楽師の津村禮次郎さんだった。この津村さんのお話がとても分かり易くて面白い!
津村さん自身も大学生の時に能楽の世界に入った方で、最初はサークル活動からだったとか。能楽は世阿弥以降これまでの神様の為の舞から群像劇や恋愛等庶民に分かり易いものになっていったという。また、本編で天才能楽師が取り憑いた女子高生へと転換するシーン等、1人の役者が面を付け替えて複数を演じる能楽らしいシーンだったと仰っていて、なるほどと思った。

2公演目の後のアフタートークでは地元の劇団から、劇団ハンニャーズの中嶋かねまささんと劇団第二黎明期の逸見友哉さんがゲストで登場。能楽堂がこんなに満員で笑い声が響いた事は無かったという話に。また、天・地・人の上演順をどう決めたのかという話では、天チームが最も冒険していて、妻の役に石井淑夫さんという中年の男性の役者さんを配役することによって、年配の男性の役者さんでも面をつけて少女の役を演じるという能楽の世界をイメージしてほしく、もっとも顕著にそれが現れている天のチームを一番最初に上演することで、他のチームのキャスティングも難なく受け入れてもらえるのではないかと思った、という事を中屋敷さんが仰っていた。
またこれからの新潟演劇界として、こうして県外からの劇団を呼ぶだけでなく東京等にも進出していきたいという目標も語られていてとても充実した内容だった。

今回の『恋する世阿弥』は、脚本も配役のオーディションから全て新潟で行い新潟の役者でキャスティングされた舞台という、新潟演劇祭と中屋敷さん率いろ柿喰う客とのコラボレーションだったわけだけれど、この機会が無ければ恐らく能楽堂へ入る事も、能の世界に興味を持つ事も、そして何より新潟県内の役者さんを知る機会も無かったかもしれないと思うと非常に充実した貴重な機会だったと思う。
何よりとても楽しかった事が一番嬉しいことだった。演劇って楽しいなあ。
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カテゴリー:舞台
テーマ:観劇  ジャンル:学問・文化・芸術

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