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俳優矢崎広くんと若手俳優さん中心の舞台観劇&映画ドラマ感想ブログ

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小林賢太郎演劇作品『ロールシャッハ』


神奈川芸術劇場 ホール
12/15マチネ観てきました。今年の観劇納め


約2年ぶりとなるKKPを観てきた。思えば初演のロールシャッハ以来なんだなーと。
KAATは今年の3月に三銃士を観た劇場なので何とも思い入れが…前回は大スタジオだったけれど今回はホール。かなり下手寄りだったけどとても観やすかった。

オープニング映像がとにかくかっこいい。舞台をスクリーンで仕切ったり、一ヶ所を小さなスクリーンにして映像を投影したりとステージをまんべんなく使ってみましたという演出が楽しい。
特に今の自分を変えたいと悩むキャラクター達のシルエットをパシャリと撮影して投影する演出はこの舞台に仕掛けられたトリックを知っていて観るとまた更に楽しめる演出となっている。
ロールシャッハという演目には最初からトリックが仕掛けられているんだけど、私は初演を観ているのでそのトリックを既に知っている。だからこそ、ここも伏線だったのか!あそこも伏線だったのか!と途中途中で気付くポイントがいくつもあって二度三度観て楽しい舞台かもしれない。

ストーリーとしては、最初は小さな島国だったけれど開拓団によってどんどん領地を拡大していった国の話。とうとう世界の一番端にある壁まで到達する。開拓隊はその祝いにパイオニア号と名付けられたロケットを打ち上げることにして壁際の町はお祭り騒ぎ。
そんな中世界の端の壁に大砲で穴を空け、さらなる新転地を目指す開拓チームに選抜された、性格に問題を抱えた4人の話。

一番心にぐっさりきたのは串田。
何事もなあなあで世の中を渡ってきた青年。
「これだから素人は」「もうまじで消えてくれって感じ」「そんなのただのパクリじゃん」
全て他人事、自分には関係の無い事、根拠も無いのに他人を馬鹿にして自分を良く見せたいどこにでもいるチャラチャラした青年。
彼が自分の発した言葉によってあれよあれよと大事な仕事を任される事になったとき初めて不安になる。
「俺は今まで何かを自分で始めたことはあっただろうか、自分から何かが始まった事があっただろうか」
自分が発した様々な言葉が全て自分に跳ね返ってきて、恐ろしくて絶叫する姿が胸にぐっさりと刺さる。
「俺、今まで他人の気持ちなんて考えずに生きてきちゃった。これってやばいよね」
という串田の言葉が耳に痛い。それに対する富山の「嫌いというより、自分の好きなものを好きって言ってみたらどうですか」というアドバイスは優しくてじんわりくる。
最初はバラバラだった4人が徐々に1つになってゆく。
大砲を撃つ準備もどんどん作業効率が良くなり、これならいつでも撃てるぞという状況になってからの、富山の告白。
世界の端の壁の向こう側は、こちら側と鏡のように、全く同じようで少し違うパラレルワールド。その説明で全てが繋がってゆく。
私達と同じ世界にいると思っていた彼らは、実は鏡の向こう側の住人だった。
各所で出ていた彼らの名前、富山、天森、壺井、串田…全ての漢字がシンメトリーになっているトリック。我々にとっての左は彼らの右、文字も全て左右反転。壷井さんの「右投げ右打ち」と言っておきながら左でバットを振っていたり、パーセントマンの%ポーズのスラッシュが左右逆になっている辺りでトリックを知っている側としてはニヤニヤできるポイント。
きっとステージの端が、舞台の上と客席を仕切る世界の壁なんだろうなと思った。

壁の向こう側に反転した世界があるなら、人がいるということで、そこに向けて大砲を撃つのは開拓じゃなくて戦争みたいじゃないかと串田が言ったときの、シンとなった静けさにゾクゾクする。
開拓する為の大砲は、戦争開始の大砲だった。祝いのロケットだと思っていたパイオニア号は、大砲で空いた穴にむけて発射されるミサイルだった。

結局彼らは大砲を壁ではなく真上に向けて発射することにしたけれど、それは何の解決にもなっていないよな、と観終わってから思った。
大砲は壁に向けて撃たなかった。ミサイルも発射されなかった。良かった良かったで終わったけれど、爽やかな曲と共に終わったけれど、綺麗に終わり過ぎててもやもや。
この話は初演が2年前なので、侵略とかミサイルとか今の時勢に合わせて書いた話じゃないことは分かっているけどちょっとどきっとする。
パンフレットで小林さんは、自分だったらどうするだろうと考えて欲しいと言っていたけど、考えさせようとするならここまで綺麗に終わらせないほうが良かったのでは、と思った。たとえばこちらが大砲を撃たなかったにも関わらず、壁の向こうからミサイルが飛んできて終わったりすれば、そこは考えるだろうなと思うけど。なんとも綺麗にまとめすぎていて若干消化不良。
それにしても辻本さんの身長って卑怯だなーと思った。かわいい…
あと小林さんは役者に宛て書きする人らしいからしょうがないかもしれないけど、個人的にはそろそろ久ヶ沢さんの別のキャラクターも観てみたい。ずっと同じような役しかKKPでは演じていないので、待ってました!というよりはちょっと飽きがくるなーと。

何はともあれ、今年最後の観劇は悪い意味でのハラハラする事もなく安定感のある人達と舞台で締められて満足でした。来年はラーメンズ本公演……うーん……そろそろ待ちくたびれてしまうよ!
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カテゴリー:舞台
テーマ:観劇  ジャンル:学問・文化・芸術

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