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俳優矢崎広くんと若手俳優さん中心の舞台観劇&映画ドラマ感想ブログ

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桜の森の満開の下


表参道スパイラルホール。15日ソワレを観てきました。
るひまさんはもっと宣伝するべきだったと思う…


舞台のつくりが面白いな、という印象。
ステージを囲むように東側と西側に席が設けられている。桟敷席と椅子席になっていて、私は東側椅子席最前だったんだけどこれが良い席だった。
真っ白な階段のついたステージと、そのステージから天井に伸びる細いワイヤー以外何も無い舞台。桜の木すら無い。
開演時間になるとおもむろにお客さんが入って来た同じ扉から出演者が入って来て、何のアナウンスも音楽も無いままいきなり台詞を語り出すのでびっくりする。
白い着物の女が二人。質素な着物の少女が一人。白い着物の男が一人。白い着物の青年が一人。そして黒い着物の山賊が一人。
山賊が青年と出会う時、青年の連れの男と女が目の前で山賊に殺されているというのに青年は何の感情も抱いていないように見えて薄ら寒くなる。
初舞台の青年役えのく君はとても綺麗な青年だったので、山賊が心動かされたのはわりと説得力があるなと思った。お前の心が欲しい、とか、凄い台詞だ。
我が儘な青年は、私の心が欲しいなら私の言う通りにしろと我が儘放題。彼の言い方が本当に憎らしいほど我が儘なんだけど、完全に心をつかまれてしまった山賊は彼の言う通りに長年連れ添った女房を殺し、今まで以上に山を訪れる人々を殺し、上等な衣類と彼が狂ったように夢中になっている首遊びの為の人間の首を与え続ける。
沢山の首を並べ興に入る青年はとにかく不気味で悪趣味で、でもとても優雅で美しく見える不思議。青年の衣裳の背中に十字架が描かれている事、ステージから天井に伸びるワイヤーが遊ばれる首達を絡めとる操り糸に見えた時、この美しい青年は神様になりたいのだろうかと思ってゾクッとした。
都に青年を連れて来た山賊は、都は煩いから退屈だと言い、女房であった少女は山は静かすぎて退屈だったと言う。静か過ぎると考えなくても良い事を考えてしまうからと。
都に来てから更に首を欲するようになる青年に、次々と人を殺しては首を差し出す山賊。心が欲しいと言うわりに、山賊は青年を恐れ過ぎて心を見ようとしていないような気がする。何故怖いのか、とステージの回りをぐるぐると回りながら首になった人々が山賊の感情を言葉にするのはどんどん追い詰められていく感覚。強迫観念のような。とてもこわい。
心が通じ合ったように思えた山賊と青年が再び山へ戻る。満開の桜の下、青年の人形のように表情の無い顔。彼は最初から山賊に心を与えようとも、山賊の心が欲しいとも、何も考えていなかった。きっとそれは山賊も気付いていたんじゃないかなと思う。
満開の桜の森が怖かった山賊は、今はもう怖いと思わないと言う。何も感じないと。そうして一言、「ひとりは煩い」と呟き自分の首を絞める。その手を誘導する、恐らくそこには存在しない満開の桜の下に良く似た青年の幻影。ひとりに気付くのが遅すぎたと追い詰める首達。
暗転して最後に浮かび上がるのは、血のように真っ赤な操り糸だけ。
山賊は神様のような青年に操られていただけなのか。ぷつりと糸が切れた時漸く自分がひとりだと気付いたのか。
何も無いステージの上、静かに静かに咲き誇る恐ろしい程満開の桜を感じたような気がした。
ひとりって言葉はきっと、独りって意味なんだろうな。
孤独という事を理解し、孤独ということに退屈さを感じ、孤独ということに耐えられなかったんだろうか。

原作未読のまま観たので色々解釈が間違っている所があるんだろうなと思いつつ、余韻と後味の悪さが残る舞台だった。観終わった後色々と、悶々と考え込んでしまう舞台はわりと好きです。
最初から分かっていた事ですが思いのほかストレートにほもだった。うん。
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カテゴリー:舞台
テーマ:観劇  ジャンル:学問・文化・芸術

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ラナン ⇒ レポしていただいて

観劇レポ有り難うごさいます。

凄く観たくて仕方がなかったのですが、都合がつかず観に行くことが叶いませんでした。

昨年の秋に極上文学の朗読劇で同じ演目を観劇致しましたが、妖しくも美しい舞台どんな演出なのか大変興味が有りました。


DVD発売があればよいのですが、やはり生で観た方が良い舞台だった様な気がします。

観れなかった事が悔やまれます。

  • |2012.07.19
  • |Thu
  • |09:33
  • |URL
  • EDIT

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aka ⇒ ラナンさま>

コメントありがとうございます。
極上文学版でも好評だったようで、しかも今回は役を青年に変えてあるという斬新な試みだったのでとても楽しみにしていました。
私が観劇した時にDVD用にカメラが入っているという張り紙がありましたので、恐らくDVDになるのではと思います^^

  • |2012.07.27
  • |Fri
  • |15:41
  • |URL
  • EDIT

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Author:aka
俳優矢崎広くんが好きです。
若手俳優中心の舞台関連の感想、レポ、企画中心
最近映画と海外ドラマの感想もはじめました。

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