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俳優矢崎広くんと若手俳優さん中心の舞台観劇&映画ドラマ感想ブログ

ETERNAL CHIKAMATSU -近松門左衛門「心中天網島」より-


Bunkamura シアターコクーン
3/12マチネを観てきました。

あらすじは梅芸さんの公式にあるので割愛。

売春宿で働くハルの寄る辺無さが非情で冒頭から辛い。
自殺した夫が残した借金地獄で死にものぐるいで体を売って働かざるを得ないハル。漸く愛しいと思える男ジロウに出会ったものの、彼の兄に「お前はお金しか愛せない卑しい女だ」と罵られプライドをズタズタにされてそれでも生きる為に非情になろうと叩き付けられたお金を数えるハルがもう辛くて辛くて冒頭からべそべそ泣いていた。
あるはずのない、遊女たちの流した涙で溢れたという蜆川にかかる橋で出会った遊女の小春。小春演じるのは中村七之助さんなんだけどもう素晴らしく色っぽく、それでいて可憐で可愛らしくて!!しゃなりしゃなりと歩く姿に一目で惹き付けられた。
現代と元禄の時代が交錯する中ハルと小春、ふたりのおんなの悲し過ぎる愛と死が混じり合う。
愛した男と心中する小春。妻子持ちでありながら小春を愛した男治兵衛ほんとお前…お前ろくな男じゃねえな!
治兵衛に刀で刺されるものの、戸惑いがあるせいで致命傷に至らず血まみれで「痛い、痛い、はよう殺して」と縋る小春があまりに可哀想でハル同様「もうやめて!早く殺してあげて!」と叫びたくなる。
小春と治兵衛の心中事件は若い男女の燃え上がる恋の手本として、物語の中で何円も何十年も何百年も語り継がれる事になる。小春と治兵衛の物語が上演される旅に悲惨な最期を遂げる小春。「どうか遊女が心中する事が二度とありませんように」という願いを混めて何度も何度も、十万回以上死んでゆく小春。
自殺した亡き夫の亡霊を見ながら自分も死のうか、今死んでしまえば明日死にたくなる事は無いと考えていたハルは小春たちを見ているうちに、彼女や治兵衛を待ち続ける彼の妻を見ているうちに心中なんてしないで、貴女のことを好きになったから、どうか死なないでと曾根崎の森へ向かう彼女たちを止めようとする。彼女もまた、自分には心配してくれる人がいるということを漸く理解出来たんだろうなあ。だからこそ死んで欲しく無かった。
そんなハルの姿を見て「もう二度と、貴女がこの橋に立つ事は無いのね?」と語りかける小春。ここで漸く気付いた。小春はハルに思いとどまらせる為に彼女の前に現れて彼女の為に自分の物語を上演しているのだと。命を絶とうとしていたハルを止める為に。
もう死ぬ気は無いというハルに「良かった」と安堵し「どうか遊女が心中する事がありませんように」と願う小春。もう女神様のように見えて仕方が無かった。美しくて儚くてとても優しい小春。彼女がくるくると舞いながら着物を脱ぎ捨てていき最後はひとりの男になる。彼は自殺したハルの夫。遺した君の事が心配でずっと見ていたけれど、それが逆に追いつめてしまったんだね。ずっと愛しているよと言って消えてゆく。遊女たちが流した涙のようにざあざあと雨が降る中佇むハルは、もう死ぬ事は考えていない。

矢崎さんはハルの弟、後はちょいちょいと端役をやっていたけれど髪型で印象変えていて良かった。
それにしても中村七之助さんの女形を見れて、こんなに素敵な物語を観られて幸せだったー。それにしても男達最低だな!!男運が悪過ぎるよ……。
一幕も二幕も泣き通しでつらくて悲しくて仕方が無かったけれど最後には救いがあって本当に良い舞台だった。
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カテゴリー:舞台
テーマ:観劇  ジャンル:学問・文化・芸術

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俳優矢崎広くんが好きです。
若手俳優中心の舞台関連の感想、レポ、企画中心
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