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【映画】アメリカン・スナイパー


2015/02/25 映画館で観賞
監督:クリント・イーストウッド
主演:ブラッドリー・クーパー


アメリカ海軍特殊部隊「ネイビー・シールズ」にて史上最多の160人を射殺した伝説の狙撃手クリス・カイルの伝記を元とした本作。アカデミー賞で数多くノミネートされ、音響編集賞を受賞した事でも話題になっている。
監督は巨匠クリント・イーストウッド。
愛国心から海軍に入隊し、その中でもエリート中のエリートであるネイビー・シールズに所属するクリス。9.11後、4回に渡ってイラクに派遣された彼はシールズ史上に残る伝説的な狙撃手となる。類い稀な狙撃技術によりレジェンド(伝説)と呼ばれるようになったクリスだが、戦争はじわじわと彼の精神を蝕んでゆく。本人も気付かぬうちに、少しずつ人間性が欠落してゆくのが恐ろしく、悲しい。

全編に渡って緊張していた。肩に力が入り、心臓がずっとドキドキしていた。極度の緊張感の中ライフルのスコープを覗くクリスのようにその緊張が終わらない。
イラクから帰国すると彼には家族がいる。美しい妻と、可愛い子ども達。その日常で心を癒す筈が、癒されなくなってゆく。それは演出上でも顕著に現れていて、戦場での様子はとてもリアルに、詳細に描かれている。銃弾の掠める音、標的を定めるクリスの息づかい、命を奪われる者の断末魔……しかし戦場から帰って来た彼の平和な日常はどこかぼんやりとした夢の中の出来事のように時間が過ぎてゆく。彼にとって、最早戦場こそがリアルになってしまっている。だから彼は理由をつけ、戦場へ「帰ろう」とする。表情が無くなり、口数が減り、人間性が欠落してゆく。常に心は戦場から帰ってこない。所謂PTSDの症状が現れるが、クリスにその自覚は無く、辛いとも悲しいとも怖いとも言わない。それがただ恐ろしく、悲しく、しんどい。
テロリスト側にも狙撃の名手が登場する。彼がまた、一言も喋らないのが不気味で恐ろしく、それでいて互いに見えない場所にいる狙撃手同士の一騎打ちがまるで西部劇のよう。撃つか、撃たれるか。思えばカウボーイであったクリスの海軍入隊前から始まる今作は、戦争映画でありつつ西部劇であったのかもしれない。

息が出来ない程の緊張感から解放され、海軍を除隊しPTSDを克服した彼が漸く人間らしく、夫として父として生きていこうとした、そんな彼の末路があまりに理不尽で、そして何より最後に映し出されたクリス・カイル本人の写真が本作で彼を演じたブラッドリー・クーパーと顔がそっくりで、それだけでもう自分でも驚く程涙が溢れた。こんなに泣いたのは久しぶりだ。衝撃的な顛末をただありのままに伝えた後の無音のエンドクレジット。啜り泣きを堪えるのが大変だった。
彼は160人を射殺した事を悔いてはいなかった。自分は祖国と仲間を守る為に殺した。160人の殺害について、自分は神に理由を説明出来るのだと。確かに彼は160人もの人間の命を奪った。そして、同時にたくさんの仲間の命を救った。何の為に戦うのか、何の為に銃を握るのか、何の為に人としての心と生活を犠牲にするのか。表立っての反戦映画では無いし、戦争賛美映画でも無い。アメリカの英雄の話であり、それと同時に全ての人間が傷つき苦しみ悲しんだ残酷な話だ。それが映画として、ここまで面白く仕上がっている事をなんと言って良いのかわからない。
しんどい映画だった。でも、映画館で観れて良かった。
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