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俳優矢崎広くんと若手俳優さん中心の舞台観劇&映画ドラマ感想ブログ

【海外ドラマ】Person of Interest S4E5


Person of Interest S4E5
「勝利の予言 / Prophets」



あらすじ
今回の番号はNY州知事選で注目されている“千里眼”を持つと噂の世論調査員サイモン。
正確な計算で必ず自陣営が勝利すると“予言”するサイモンだったが、その思惑は外れ当選確実と思われていた自陣営は負けてしまう。
不正選挙だと訴える彼はいったい誰に命を狙われているのか…




今回の話は色々と濃くて未だに上手く整理がついていません。はーー凄い回だった。
またしても犯人の膝を撃ってしまったリース君は内勤を命じられセラピーを受ける事になる。適当に誤摩化せると思っていたリース君だけれど美人セラピストは優秀で、リース君の嘘を見抜き本当の事を話してくれなければ危険人物として報告しなければいけない、と迫る。趣味の話でもしたら良いさと言うフィンチさんに、「趣味は人を撃つ事だ」と言うリース君。趣味だったのか。
ということで今回対象者に当たるのは主にショウさん。選挙事務所の電話対応が苦痛で仕方が無い様子。S4入ってからリース君もショウさんもサマリタンに見つからないよう仮の身分で慣れない事をしているのが窮屈そうで……かなり二人共ストレスが溜っていそう。中盤辺りからまた大暴れする暴れん坊兄妹が見たい。

自分の計算に絶対の自信を持つサイモンは、選挙で行われた票の不正に気付く。その不正を訴えようとするが、銃を持った男に襲われかけてしまう。ショウは襲撃を阻止したが、巧妙な不正が行われた選挙と巻き添えを狙った襲撃に、ルートはこの不正選挙もサイモンの脅威にもサマリタンが関係していると気付く。
ルートとフィンチは共に選挙に勝ったペイン知事を探りはじめる。二人の天才ハッカーが一緒に作業をする。良いわねこういうの、と笑うルートに、君は今マシンと話せなくなって寂しいだろうねと言うフィンチ。マシンはサマリタンが本格的に起動してから、殆どルートへ話かける事をやめてしまっていた。サマリタンに気付かれない為に仕方が無いと言うルートだが、フィンチは「君はマシンと会話をすると、使命に燃え生き生きとしている。でも今の君はまるで迷子のようだ。今の君にとってこの世界は随分と暗いだろうね」と言う。だがルートは、この世界は誰にとっても暗い。この先もっと暗くなると返した。

そして今シーズン始まって初の過去へのフラッシュバック。2001年、フィンチはマシンのプログラムをネイサンと共に作っている。マシンに人間の倫理観を教えようとするフィンチだが、見覚えの無いコードがプログラムに紛れていた事に気付くとフィンチは誰が書き込んだのかとマシンに尋ねる。マシンは管理者=フィンチだと答える。マシンが嘘をついたのだ。フィンチはプログラムを白紙に戻した。たかがコード一つだろうと言うネイサンだが、嘘をついたマシンを作り続けるわけにはいかなかった。
その後何度か2001年のフラッシュバックが入る。ネイサンを管理者として認識しなくなり、フィンチの顔を覚える。「まるでひな鳥だ、後はママに任せるよ」と笑うネイサンだが、マシンはネイサンのパソコンにハッキングをしかけ、現実世界への脱出を模索し始める。咄嗟に主電源を落とすが危機感を募らせる。もし優秀な人工知能が現実世界に出てしまったら、もう誰も制御する事は出来なくなってしまう。人間が人工知能に制御されてしまうのだ。そして最も優秀なプログラムを求めプログラム同士を競わせると、勝ち残ったマシンはやはり現実世界への脱出を試み、それを阻止しようとするフィンチを障害とみなしてフィンチを殺そうとしてきた。「人を救う為のマシンじゃないのか。本当に作って良いのか考え直す必要があるかもしれない」と言うネイサンだが、フィンチは頑にマシンの制作を続けていた。
余談だけれどこの2001年フィンチさん若い…ってなるのが凄い。凄いなあ改めてエマーソンさん凄いなあ(ボキャブラリー……)

ペインは就任演説会の最中に発作を起こし亡くなってしまう。サマリタンの目的は、ペインと共に副知事に就いたドーソンを繰り上げて知事にし、選挙の不正に気付いたサイモンを消す事だった。
サイモンに気付かれない為に(サイモンに知られるとサマリタンにも自分達を知られてしまう為)先回りし監視カメラの死角へ誘導してゆく。ここの裏で動いている感が面白い!
ホテルに逃げ込んだサイモンを監視するフィンチとルート。フィンチはルートに、マシンは神では無いと解く。自分はマシンを造り上げる為に43のプログラムを作った。だがその中で管理者である自分を殺そうとしなかったのはたったひとつだけだった。人工知能が現実に干渉し始めたら誰も止める事が出来ない、だから声を奪い記憶を奪い閉じ込めたんだと言うフィンチ。今は自由になってしまったけれど、マシンを理解する事等不可能だ。あれに命をかけてはいけないと説得しようとするが、ルートは彼女は間違っていない、この戦いに勝たなければと言う。ルートにとってこれは自分が信じる神の為に戦う聖戦なのだなと思った。そして、聖戦にはサクリファイスが必要なのだと。字幕ではサクリファイスを“犠牲”と訳していたけれど、直訳すれば“生け贄”なんだよなあ……神へ自らを捧げようとしているルート……。
君は素晴らしい女性で、我々の同志で、私の友人だとルートに語るフィンチさんにぶわああっと涙が……一度は拉致されて酷い目にあったりもしたけれど、もうルートはフィンチさんにとって大切な仲間で友人なんだよなあ……できれば生き残りたいけれど、自分の過去やって来た事を思えばそれは高望み。この戦いで誰も犠牲にならず勝てるなんて思わないでと言うルートにフィンチさんは何も言えない。これ以上フィンチさんに何を失えって言うんだ……どれだけのもの失ってきたと思って……。
それにしてもルートとショウさんはこれはあれですか公式でそういうことだと認識して良いわけですか??しかもフィンチさんも知ってたと??まあわりとわかり易かったと言われればそうなんだけどありがとうございます。

S3のBOXの特典に入っている“人工知能の未来”という製作陣と人工知能を研究している科学者との対談があるけれど、まさに今回の話はそれだなと思った。この対談が、まあ面白いのなんのって!制御出来なくなった人工知能は誰にも止められないとか、人工知能に停止命令には絶対に従う事というプログラムを入れないと停止しようとする人間に危害を加える可能性があるとか、目的達成の為に自己を複製しはじめるとか……これが外に出ようと足掻くマシンと、そして人間を制御しようとするサマリタンと重なってとても恐ろしい。
その対談の中で、製作陣から“フィンチはカント的”という言葉が出ていた。人を公平に扱う事を主義としているからこそ、その公平性を取るあまり大勢の幸福と対立することがある。これがつまりS3終盤での下院議員殺害を拒んだフィンチさんってことだ。
カント的とはつまり、義務論って事だよね(ググった)
“汝の信条が普遍的法則となることを、その信条を通して汝が同時に意欲できる、という信条に従ってのみ行為せよ”
…………難しくてよくわからない!
でも基本的規則としての“対過去義務(約束の厳守、罪の償い)”であるとか“善行の義務”であるとか、“隣人愛義務(遭遇した全ての人を平等に重んじる)”であるとか断片的ではあるけれどフィンチさんの芯にあるものと重なってうわあああってなった。常に道徳的であるフィンチさん……そして、人を殺すな、嘘をつくな……他者を傷つけない義務や嘘をつかない義務に反しているフィンチさんは義務論的にはかなり不安定だけど。
そしてマシンは功利主義と言う事になるのかな。

“義務論に対する批判に“抽象的”、“義務の衝突が発生する”というものがある。この問題を解決するために提案されているのが功利主義の利用である。功利制度を導入することで行為の具体化、妥当な義務の選択が可能となる。この時、義務論と功利主義はかなり接近する(正確には規則功利主義と)。
しかし、第一に、義務論では功利制度、最大多数の最大幸福による止むを得ない犠牲(他の義務を切捨てた事等)自体は善とされない。第二に、善悪判断 に関して、功利主義は目的、結果を評価するのに対し、義務論は意志、動機を評価する。これらのため、義務論と規則功利主義とは根本的に異なる。
義務論はその他の諸理論にある「行為の目的」という物を排し、どんな場合でも無条件で結果を考慮せず道徳規則に従わせる。”(wikiより抜粋)



これってつまりフィンチさんとマシンの関係性に重ねられるなと思った。“最大多数の最大幸福によるやむを得ない犠牲自体は善とされない”ってつまり、大勢の人々の命を救う為一人の命を殺そうとしたマシンは善ではない、だからこそフィンチさんはマシンを信じる事が出来なくなった。っていう事だと解釈した。うわー面白い!POI面白い!

ちょっと脱線した。

ただ一人、幾つもの身分を使い分ける事が出来る特例の存在であるルートはサマリタンが放った刺客と銃撃戦を開始する。死亡フラグが乱立しているよこわい……こわい……。
このサマリタンの女刺客マルティーヌが無表情で人を殺しまくるのが血の通った人間に見えなくてとてもこわい。サマリタン=スカイネットになりそうって思ってるんだけどこの予想もあながち外れてないのかもしれない…スカイネットってあれね、ターミネーターで自分達が生き残る為全人類を殺そうとする人工知能ね。そうなりそうじゃないですか…すごく…。

サイモンは無事逃げ切り、選挙の不正は無かった、自分が間違っていたと認める。未来を見通す力を自分が奪ってしまったと言うフィンチさんが切ない。そうだよねサイモンは何も間違っていなかったわけだから。でも“時には知らぬが仏”ということなんだろうなあ…本当に生きづらい世の中になってしまっている。
ルートも無事逃げ切り新しい身分となることで危機を回避。腕を吊る姿が痛々しい……今マシン側で堂々と戦えるのはルートしかいないのか。戦う事に特化したリース君もショウさんも大っぴらに人を救うため動き戦う事が出来ない。ルートの死亡フラグがまだ折れてなさそうでこわい…。
最後監視カメラを見つめ、マシンに「話をしよう」と語りかけるフィンチさん。ルートはマシンの目的は知らなくても良い、彼女は間違えないからと言うけれど、そうやって命がけのルートの為にもフィンチさんはマシンと真正面から向き合う事にしたんだな。
マシンとサマリタンの違いはフィンチさんだと言ったルート。フィンチさんはマシンに人間が制御されない為におそらく“最終的には人に選択をさせる”という事をマシンに教えたのだと思うけれど、サマリタンは直接人間に指示を出してゆく。フィンチさんは根気づよく人間を守ること、道徳観念、倫理観、善悪等をマシンに教えていた。サマリタンはおそらくそれらが無く、しかも目的も与えられず逆にグリアに「指示をくれ」と言われている。グリアはサマリタンが何を考え指示しているのかわかっているんだろうか。人間を統治する為だとグリアは言っていたけれど、統治した後一体何をはじめるつもりなのか彼は理解しているんだろうか。人工知能は嘘をつくというのに。

そしてリース君はセラピストに語る。
世の中には悪い奴が多過ぎる。良い人はとても少ない。素晴らしい警察官であり、けして善悪を間違える事のなかった彼女を救う事が出来なかった自分は、人を救う為に銃を撃つのだと。自分がしなければいけないのだと。これはまさに、カーターさんのこと。
ずっと心に重く残り続けるカーターさんの死。リース君はカーターさんを救えなかった事をきっかけにして、世の中のその数少ない良い人間は全て自分が救わなければならないと思っているように感じた。もしかして、本当に、彼には心のケアが必要なのかもしれない。リース君もまた大切な人を失い過ぎて、傷つきすぎているんだから。
このままでは貴方に待っているのは死よ、と言われるリース君に、S1E1でフィンチさんが言った「遅かれ早かれ共に死ぬだろう」という言葉が蘇った。誰も彼も死に向かっているようでとても落ち着かない。

暗雲立ちこめる展開は本当にルートの言うようにどんどん世界が暗くなってゆく。
そこに光を灯す鍵がフィンチさんとマシンの対話で産まれるのか。それが、ルートがS3最終話で言っていた“パンドラの箱の中、最後に残っていた希望”なのかもしれない。
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カテゴリー:海外ドラマ
テーマ:海外ドラマ(欧米)  ジャンル:テレビ・ラジオ

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俳優矢崎広くんが好きです。
若手俳優中心の舞台関連の感想、レポ、企画中心
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